今日はちょっと移動距離が長い日です。
ビアリッツから東北東へ、直線距離でも180kmぐらいのところまで行きますが、その間に3箇所立ち寄りするという忙しい日になりました。
2時間半ほど走ったら、ブドウ畑が見えてきました。ワインのぶどうだろうからこの辺りの町でランチをしたらいいかなって思いながら走っていると、小さな村に入りました。
石造りの壁の建物が並んでいるのですが、レストランとおぼしきところがありません。
小さな広場の周囲に2階建ての家が建ち並んでいます。
左は長方形の木組みの中にレンガを装飾として嵌め込んだ壁が美しい家です。
同じようにレンガを装飾に使った個人住宅。木組みのパターンが変わっています。
さっきの家の下階はカフェになっていました。飲物なら出せるということなのでコーヒーをいただきました。
深い軒というか、2階部分が全部ひさしの役割を果たしています。
ここはどこですかって店に人に訊ねたら、アルマニャック地方のサン・ジュスタンSaint=Justinという村だということです。
アルマニャックといえば、コニャックと並ぶフランの代表的なブランデーです。
ここは、アルマニャックの中でも最高級なものを生産しているバ・アルマニャック Bas Armagnac地方の西北端なんだそうです。
ハードリカーはもう飲まなくなってしまいましたが、もうちょっとこのあたりを見る時間があったら良かったです。が、今日はこれ以上寄り道するヒマはありません。
それから更に走ること小一時間。やっとモンレアルへ着きました。正式には、ジュール県のモンレアルなので、モンレアル・デュ・ジェールMontreal-du-Gersといいます。
ジュール県は、その風景や気候から「フランスのトスカーナ」と呼ばれています。
この辺りにはローマ時代のモザイクが残っていて、市庁舎の中にある博物館で展示されています。
村の中心にある市庁舎とその前にある駐車場です。
お昼休みの最中なので、とても静か。
こういう小さな村の良いところは、駐車するのに困らないことと駐車料金がタダなことです。道も簡単で迷うようなこともありません。
とりあえずランチと思ったけど、短時間で食べられるようなところが無かったので、お店でサンドイッチを買ってその隣のバールで飲物を買って・・・。
今日のランチは合計で8.90ユーロと安上がりでした。
博物館の中に展示されているモザイクの中で一番立派なもので、ベイリーブとフィグなどが表現されています。ベイリーブはローリエ(月桂樹)のことで、ローマ時代には英知と栄光のシンボルとして勝者に米リーブで作った冠が与えられました。
こちらのモザイクはまるでタピストリーのようです。
市庁舎の前に張ってあった観光ポスターです。
上のローマ時代のモザイクは、すぐ近くにあるセヴィアックという村から発掘されたもので、今でも発掘作業をしているということです。
2kmほどしか離れていないというので、行きました。
セヴィアック Villa Gallo Romaine de Séviacの入口を入ったところです。
ここは4-5世紀頃のローマ・ヴィラがあったところだそうです。
ヴィラというのは、上流階級のカントリーハウスのことで、普通は周囲に農場や畑があって自給自足ができるような体制だったそうです。
まだ発掘が続いているということでしたが、この日は誰も作業をしている様子がありませんでした。
当時の様子を再現した模型です。
モザイクの数々です。
いろんなパターンがあって、その場所に応じて使い分けられていたようです。
これは浴室だそうです。
側廊にもフリル模様のモザイクが。
千五百年も前、ローマ人たちはここでどんな生活をしていたのでしょうか。
(2011年6月)