カストルでランチの後は、ミディ運河のクルーズに行きました。
カルカッソンヌからもクルーズ船がでているけど、隣町トレブTrebesから出る船がお薦めとガイドブックに書いてありました。
この小屋がクルーズの受付です。
料金は一人8.5ユーロ、約90分間のクルーズです。
出だしはそろそろっと。店が並んでいる町を見ながらの出発です。
ミディ運河は1667-81に建設された全長240km、支流を含めた総延長360kmの大運河です。大西洋から地中海への航路をそれまでより3000キロも短縮し、更にスペインから徴収されていたジブラルタル海峡の通行料を支払わなくても済むという一石二鳥のこの運河建設プランは、ルイ14世によりフランス国家プロジェクトに認定されました。
運河の設計・監督をしたのは、ピエール=ポール・リケ(Pierre-Paul Riquet)という塩の徴税使でした。
難工事続きで、国家プロジェクトとは言え、国の予算だけでは足らず、リケは自分の家財も売り払って工事費を工面したそうです。
途中にある橋(1689年建)が美しいシルエットを見せています。
船は運河を静かにすべるように進んでいきます。
この運河の制限速度は、時速8km だったということです。
私たちの船も、それに近いスピードで進んで行きます。
水門に近づいてきました。ゲートが開いて船を招きいれようとしています。
<ミディ運河のデータ>
ゲート数: 64
橋の数: 125
運河橋の数: 54
全長: 240km(支流込み総延長360km)
幅: 15m
水深: 2m(中心部)
ゲートが開いて、船が中に入っていきます。
中に入ると、後ろのゲートが閉まり、注水が始まります。
水位がどんどん上がって、もうすぐ上の水面のレベルに届きそうです。
上の水面と同じレベルになって、前のゲートが開きました。
一連のゲート開閉作業をする操作盤と係員。
ずいぶんリラックスした格好です。
運河の両側にある小道では、サイクリストが集まっています。
昔は船に動力がなかったため、人や馬がこの道からロープで船を曳いたのです。
クルーズ船は平底の小さなものでした。30人も乗れるでしょうか。
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船が発着するトレブはカルカッソンの隣町す。
カルカッソンに戻って、車で下町に行き、ガンベッタ広場の地下にある駐車場に入りました。
ガンベッタ(Léon Gambetta) も19世紀のフランスの政治家です。僅か77日間だけですが、首相にもなっています。
フランスの町では、だいたい大きな広場の地下は何階建てかの駐車場があるようです。
下町に行ったのは、高級デリ”La Ferme”でおかずを買うためです。
いろいろな種類がありましたが、ソーセージ。ハム類は避けて、エビチリとイワシの酢漬け、それに鴨のパテを買いました。
この店の向かいにベーカリーがあり、そこでバゲットを、またすぐ近くの八百屋でトマトとキーウィを買って夕食が揃いました。
ワインは、前日に城塞内のワイン専門店で求めた赤ワインで、地元ラングドック地方のミネルヴォアMinervoisです。 若いけどスムースな飲み心地でした。13ユーロはお買い得です。
日本でも、いきなり外国人がお惣菜を選ぶのは難しいと思いますが、日本人がフランスのデリで自分が食べたいおかずを選ぶのは至難の業です。で、知らないものを選ぶような冒険をすることなく、いきおい安易な選択をすることになります。でも、フランスの料理や食材をもっと知っていれば、デリならあちこちにあるのでフランスをより深く(そして安く)味わえることでしょう。
(2011年6月)