2012年7月1日日曜日

フランス カタリ派のケリビュス城

カルカッソンヌに近い山中にあるケリビュス城 へ行きました。
ラングドック地方のあちこちに点在するカタリ派の城の中ではペイルペルテューズ城(後出)と並んで規模も大きく人気があるお城だそうです。

カタリ派とは、11世紀から13世紀にかけてフランス南西部を中心に信者がいたキリスト教の一派。  禁欲・菜食・非暴力主義で、且つ分かりやすく教えを説くところから人気がありました。


ケリビュス城を山腹の駐車場から見た写真です。
逆光ということもあって、ずいぶん高いところにあるように見えます。
「え、あそこまで登るの!」というカンジです。







カトリックはこのカタリ派を異端と見なし、1209年からアルビジョワ十字軍を送って壊滅させました。(カタリ派はアルビジョア派とも呼ばれていた)

十字軍に追い詰められたカタリ派の信者たちは、このような険しい山の上に建つ城塞に閉じこもり、信仰を守るため最後の抵抗を試みたのです。





崩れた石の壁の線は柔らかいところがありますが、教会部分特に塔の部分の直線は印象的です。
これだけ足場が悪いところで、よくこんなにキチッとした角度が出せたものです。それも11世紀ごろの築城ですから感心してしまいます。





 地衣類が張り付いた岩。
(6)番の表示は、オーディオガイドの番号です。
フランスは、本当にどこに行ってもオーディオガイドがあるので役に立ちます。









建物を上から見たところです。屋根は崩れ、壁(の一部)が残っています。













建物の壁は殆どが小さな石を積んで漆喰で固めたものです。
平地ならいざ知らず、こんな急峻な山の上でこれだけのモノを造るのにはどれだけの労力がかかったことでしょうか。









建物の上からの景色です。
ケリビュス城は標高728mあたりに建っています。ちょうど風の通り道なのでしょうか。風を遮るものがないところだと、立っているのがやっとというような台風並みの風が吹いていました。
 教会内部の窓です。
壁の厚みがどれだけあるかが分かります。
 同じく教会の天井部分です。
 上から駐車場を見下ろしたところ。
トイレもあります。

3Dではないので分かりにくいですが、上から階段を撮っています。折れ階段が急斜面に沿って造られている、という構造になっています。
階段の途中で強風にあおられてフラっとするようなこともあるので、手すりやロープなどをしっかり持って上り下りしなければ危険です。

駐車場横の受付では、「帽子もめがねも風で飛ばされるから」という注意がありました。
めがねは自転車用のものだったので飛びませんでしたが、帽子は紐がついていてもちぎれるほどの風でしたので、ここではフード付きのパーカが役に立ちました。

城から下りて、あらためて眺めたケリビュス城です。
カタリ派の人々がここに住んでいたとき、食料や水はどうしていたのでしょうか。こんなに風が強い日ばかりではないのでしょうが、冬の寒い日はどうしていたのだろう・・・などといろいろ考えてしまいます。
カタリ派の人々の信仰心がどれほど強かったのか、それがこの城によく表れているようです。
(2011年6月)