ラスコー洞窟の入場券を買ったモンティニャックとレゼジーLes Eyziesとの間にロク・サン・クリストフェ la Roque Saint-christopheがあります。
ここには、5万5千年前からの歴史があると看板に書いてあります。
駐車場に車を止めて、坂を上がっていくと、集落の入口だった石造りのゲートがあります。
横に絵があって、昔はこんな様子だったということが分かるようになっています。
ゲート手前は橋がかかっていて、敵が襲来してきたときには、橋を引き上げて通れないようにしていたといことが分かります。
商店もあったことを示す絵がありました。
現在は木の骨組みだけが残っています。
少し上がると、広いところに出ました。
岩の天井が崩れてこないかと心配になります。
支えも無いのに、こんなに深く岩を掘り進めて大丈夫なのでしょうか。
手すりの傍から下を見たところです。
下を流れるのはヴェゼール川Vézèreです。
この川の水の浸食によって、こんな断崖ができたということだそうです。
この集落の30分の1の模型です。
この崖の長さは1km、高さは80mのところに5層の集落が作られています。
これらの建物が建てられたのは中世以降のことで、見晴らしが良いロケーションであることからこの周辺の要塞とされたのでした。
5万5千年前からの歴史というのは、ここから数百m離れたところにル・ムスティエle Moustierというところがあり、そこでネアンデルタール人の骨などが発見されたこととも関連しています。
ネアンデルタール人は、20万年前から2万数千年前までいたヒト族(旧人)です。
現在残っている住居跡などは中世以降のものですが、ここにはそれとは別に、ずーっと昔にこのあたりに住んでいたヒトの歴史があるというわけです。
左は重いものを持ち上げるための、巻き上げ式リフトです。
水を汲むための専用リフトもありました。
この石積みは、上から岩が落ちてこないための支えというよりも、建物を仕切った石壁のようです。
貯蔵庫だったところです。
小さな穴も、それぞれ何かの貯蔵に使ったり、棚代わりにしていたのでしょう。
台所の跡です。
結構大きい台所で、ちゃんと汚水を流すための溝が切ってありました。
当時の台所の様子を描いた絵です。
ペリゴール地方には大昔からヒトが住んでいたそうで、147もの先史時代、旧石器時代からの史跡と25の装飾洞窟(ラスコーのような)が残っているそうです。
また、1001もの中世~ルネッサンス期の城が、このヴィゼール川とドルドーニュ川沿いにあります。
フランスの中でもペルゴール地方には最も豊かな自然が残っているのですが、 実は史跡が多くある歴史の宝庫なのです。
(2011年6月)