フィジャックから車で40分ほどでロカマドールRocamadourに着きました。
断崖絶壁に沿って建てられた村と聞いていたのに、周りは平坦だし、どうもそういうカンジではありません。
ロカマドールの鳥瞰図があったので見てみました。
で、ふと目を上げると、鳥瞰図と同じ景色が谷の向こうにあるではありませんか。
もうちょっとアップで見ると、これがロカマドールです。
ということは、この場所はロカマドールではないということです。ガイドブックを見て、今はロカマドールを遠望できるロスピタレL'Hospitaletにいることが分かりました。
てっきりロカマドールに着いたと思って、駐車料金3時間分を払ったのですが、どうしたものでしょうか。
冷静になって周りを見てみると、双眼鏡が谷の向こうを向いて設置されていたりしています。
事前にもう少しよく見れば良かったです。
で、とりあえず昼も過ぎているのでランチにしようかと・・・。
早く食べられそうなところがありました。
L'ESPLANADEという屋外レストランです。
ここならロカマドールを遠くに見ながら食事をすることができます。
このレストランのテーブルマットです。やっぱりロカマドールが遠望できるのをウリにしているようです。
これはハムとチーズのオムレツです。
こちらは卵とハム、チーズが入ったガレット。
食べものはまずまず、というより、マズく作りようがないものでしたが、一緒に頼んだ一番安い白ワインは、なんとも言えない味がしました。
もうちょっと高いのにしたら良かった、と思ってもあとの祭りです。
今日はちょっと失敗が多い日です。
さっき見えていたロカマドールの下の谷にある駐車場に車を止めて坂道を上がって村まで来ました。
12世紀半ばにロカマドールで聖人アマドールの遺骸とされるものが発見されるという大きな出来事がありました。
アマドールとは、磔刑にされるイエス・キリストがゴルゴダの丘を上がっていくときに、汗を拭くためにと布を渡した聖ヴェロニカの夫のことです。
それ以前からサンティアゴ・デ・コンポステラ への巡礼コースにあったロカマドールですが、以降おおいに発展することになりました。
ロカマドールの名前の由来は、「アマドールの岩」というところから来ていると言われています。
村には門がいくつかあって、門の上がタワーになっているものもあります。
坂道なので、特に高齢者には列車式のバスが人気です。谷の駐車場から村までをゆっくりと運行しています。
参道の両側には、おみやげ店や雑貨店、革製品の店などが並んでいます。
エレベーターもあるのですが、巡礼者は階段を上ることになっているそうです。
異教徒の私たちも巡礼者の気持になって階段を上りました。
こんな絶壁です。本当に真上なので、見上げるだけで首が疲れます。でも、実際に歩いて上るのはもっと疲れます。
断崖に沿って礼拝堂などの建設が行われています。
岩の形に合わせてはめ込む、まるでオーダーメイドです。
これもそうです。
崖が崩れてポッカリと開いた空間に建物をはめ込んだようになっています。これで崖崩れが防げるという効果もあることでしょう。
この建物も明らかに崖を支える構造物になっています。
ノートルダム礼拝堂にある黒い聖母像です。
もともとはどういう色だったのか分かりませんが、南西フランスの雰囲気には合っています。
かなり上ってきました。
さっきランチを食べたロスピタレが遠くに見えます。
九十九折の道を一番高いところまで上がったところにシャトーがあります。残念ながら、ここは入場できません。
シャトーの横の展望台から、ロスピタレを望むことができます。
ロカマドールの一番高いところとロスピタレとは、ほぼ同じ標高にあります。
下を流れるアルズー川Alzouが山を削り取ってできた標高100mから364mの断崖にロカマドールを建てたということですが、この壮大な景色がロカマドールの巡礼地としての人気を高めたということなのでしょう。
(2011年6月)