もう次は午後の電車になるということなので、駅のすぐ上にあるというリベリア砦を見に行くことにしました。
電車が出る駅の名はヴィルフランシュ・ヴェルネ・レ・バンVillefranche-Vernet-les-Bains。
小さな駅ですが長い名前です。
駅の人が言うのに、砦までは階段で約千歩、所要20分とのこと。「ケーブルか何か無いの?」と聞いたら 、電話したら車で下まで迎えに来てくれるとのこと。
表の公衆電話からうまく電話できないので、また駅の人に言うと、代わりに電話してくれました。観光地なのに親切です。
車で送ってもらった砦の入口です。
細い橋が渡してあって、何かのときにはちゃんと跳ね上げられるようになっています。ここは本格的な砦というか要塞のようです。
砦内の建物です。分厚い壁にはちゃんと銃眼が備わっています。
砦の端から下を覗き込むと、さきほどの長い名前の駅がずいぶん小さく見えます。
ここまで20分で上れるって本当でしょうか。
砦は谷あいを流れる川の上の切り立った崖の上に建てられています。
敵軍がこの砦を攻略するのは、たいへん難しかったことでしょう。
建物の壁もそそり立っています。
この砦は17世紀に建てられ、フランスでも最も「安全な」砦のひとつだと言われています。
安全というのを逆手にとって、監獄として使われたこともありました。
ルイ14世の時代に起こりフランス中を震撼させた毒事件L'affaire des poisons の犯人とされた ブランヴィリエ侯爵夫人 が囚われていたのがこの建物の中にある地下牢です。
夫人は愛人のために父親など家族4人を毒殺したとの罪で投獄の後、大量の水を飲まされた上、斬首・火炙りの刑になったそうです。
毒殺もすごいけど、処刑の方法もむごいです。
木陰に大砲が残っていました。
上の中庭に続く階段です。鉄製のねじり棒でできた手すりがヒンヤリとして冷たかったです。
砦の一番奥にある防護壁の内部の通路は窓ならぬ銃眼だらけです。
こういう大砲を使っていたのでしょうか。
見張り櫓です。
往きだけではなく、帰りも車で送ってもらいました。こういう四駆車でないと登れないような坂道でしたから。
でも、「帰りも送って下さい」ってお願いしたら「エッ!」という反応でしたから、そういう人はあまりいないのでしょう。
「健脚向き BからC」コースです。
(2011年5月)