2012年5月11日金曜日

ピレネーの景色を楽しむ黄色い電車

ヴィルフランシュ・ヴェルネ・レ・バン駅にある「黄色い電車」のポスター2種です。

雪の中を列車が走っています。山の上はそんなに寒いのかと驚きましたが、いくらピレネーでもこれは冬ですよね。どー考えても。
 こちらが夏版です。
ガイドブックには、トロッコのような無蓋車が連結されている写真があったのですが、この写真にはありません。
もしかしたら、夏ではなくて春か秋なのかも知れません。
まあ、この日は寒かったので、どっちにしても無蓋車には乗らないつもりでいたのですが。


 乗る電車は・ル・プチ・トラン・ジョーヌ le petit train jaune という、文字通り小さな黄色い電車です。
電車の色は、昔このあたりがカタルーニャ王国だったときの国旗の色: 黄色と赤 から来ているそうです。
ホームに着いた電車です。
折り返し運転のため、車内を清掃などしているようで、その間は乗り込むことができません。










コンポスタージュの機械です。こんな田舎駅にもちゃんとあります。
フランスでは駅に改札口がない代わりに、乗る前に切符をこの機械に差し込んで「ジジー」って印字してもらわないと有効なものだとは見なされません。
きっぷは印字しなければ払い戻しも受けられるため、印字していないきっぷで乗車していると、無賃乗車扱いされることもあるそうです。
 電車の中です。
簡素なビニールのベンチ型のシートが並んでいます。
犬を連れて乗っている人もいました。犬はやっぱり有料でしょうか。





電車は出発すると、山間の狭いところを通っていきます。

しばらくすると、少し山との距離が開いてきて、遠くに高い山が見えるようになってきます。
あれがピレネー山脈なのでしょう。
 遠くに更に高い山が見えます。山頂にはまだ雪が残っているのか、それとも灰色の岩なのでしょうか。
 途中、トンネルを通って行きます。
こういうところもあるので、無蓋車に乗らなくて良かったです。
 こういう橋をたくさん渡って行きます。
もっと高い橋もありました。
今日は、雨こそ降らなかったけど無蓋車だとちょっと寒かったでしょう。
走行中は他の車両に乗り移ることはできませんので、無蓋車に乗りたい人は気象条件をよく考えてからにした方が良いと思います。









 そのうち、雲で暗ーくなってきました。標高も上がってきたようです。

 
草原が広がる雄大な景色です。
この辺は、冬はスキー場になるそうです。

 また青い空が見えてきました。
遠くにピレネーが見えています。
















このあたりの家は、冬はスキー宿になるようです。










途中で降りたフォン・ロム・オデイヨ・ヴィア駅Font-Romeu-Odeillo-Via に標高1533.83mを示す表示がありました。
出発したヴィルフランシュ・ヴェルネ・レ・バン駅の標高は427mですから、ここまで1時間半ほどかけて1100mも上がってきたことになります。










駅に停車している黄色い電車。
愛嬌がある顔です。
それほどの勾配がないので、レールは普通です。アプト式とかの歯車を使うような必要はないようです。










 パンタグラフは屋根の上ではなくて、車輪の横についています。日本の地下鉄に似ているけど、もっとメカがむき出しになった感じです。
 電車に乗り込む●齢のご婦人。
入口が狭いけど大丈夫だろうか、階段をちゃんと上がれるだろうか、と心配(?)しながら見ていましたが、意外に簡単に乗ってしまいました。腕力が強いのでしょうね。








列車に乗る前にランチを食べたクレープ屋です。
ヴィルフランシュ・ヴェルネ・レ・バン駅からすぐのところにあるヴィルフランシュ・ド・コンフランVillefranche de Conflentという町にあります。
この町は、それはしっかりとした城砦に囲まれています。
フランスの美しい村にも登録されているそうで、家並みもきれいです。

電車の時間があるので、ゆっくり見られなかったのが残念でした。

 ここで食べたガレット2種。
上はハムにチーズ、卵 が入ったもの。
場所によってハムやチーズの味が少し違うものの、だいたい間違いない選択です。

下のは「カタラン風」とあったガレットです。
中身はソーセージとペパーチリでした。カタラン風というのは、ニンニクとトマト、ペパーチリが入っているということなのでしょうか。
(2011年5月)



2012年5月9日水曜日

リベリア砦 Fort Liberia

ペルピニャンからエウスEUSを経由してピレネーの電車が出る駅に10時ごろ着いたら、少し前に電車が出発していました。
もう次は午後の電車になるということなので、駅のすぐ上にあるというリベリア砦を見に行くことにしました。


電車が出る駅の名はヴィルフランシュ・ヴェルネ・レ・バンVillefranche-Vernet-les-Bains。
小さな駅ですが長い名前です。

駅の人が言うのに、砦までは階段で約千歩、所要20分とのこと。「ケーブルか何か無いの?」と聞いたら 、電話したら車で下まで迎えに来てくれるとのこと。
表の公衆電話からうまく電話できないので、また駅の人に言うと、代わりに電話してくれました。観光地なのに親切です。


車で送ってもらった砦の入口です。
細い橋が渡してあって、何かのときにはちゃんと跳ね上げられるようになっています。ここは本格的な砦というか要塞のようです。









 砦内の建物です。分厚い壁にはちゃんと銃眼が備わっています。
 砦の端から下を覗き込むと、さきほどの長い名前の駅がずいぶん小さく見えます。
ここまで20分で上れるって本当でしょうか。
 砦は谷あいを流れる川の上の切り立った崖の上に建てられています。
敵軍がこの砦を攻略するのは、たいへん難しかったことでしょう。
建物の壁もそそり立っています。
この砦は17世紀に建てられ、フランスでも最も「安全な」砦のひとつだと言われています。
安全というのを逆手にとって、監獄として使われたこともありました。








 ルイ14世の時代に起こりフランス中を震撼させた毒事件L'affaire des poisons の犯人とされた ブランヴィリエ侯爵夫人 が囚われていたのがこの建物の中にある地下牢です。
夫人は愛人のために父親など家族4人を毒殺したとの罪で投獄の後、大量の水を飲まされた上、斬首・火炙りの刑になったそうです。
毒殺もすごいけど、処刑の方法もむごいです。

木陰に大砲が残っていました。

 上の中庭に続く階段です。鉄製のねじり棒でできた手すりがヒンヤリとして冷たかったです。












        
砦の一番奥にある防護壁の内部の通路は窓ならぬ銃眼だらけです。












こういう大砲を使っていたのでしょうか。














 見張り櫓です。














往きだけではなく、帰りも車で送ってもらいました。こういう四駆車でないと登れないような坂道でしたから。
でも、「帰りも送って下さい」ってお願いしたら「エッ!」という反応でしたから、そういう人はあまりいないのでしょう。
「健脚向き BからC」コースです。
 (2011年5月)



















2012年5月8日火曜日

エウス 仏ラングドック・ルシヨン地方の美しい村

今日はペルピニャンから日帰りでピレネー山脈を見に行きます。

プラタナスの並木が続く田舎道を通って、西南へ進みます。
 30kmほど走ったところで、右手の山の中腹に村が見えます。
このあたりは、フランスとスペインが領地の奪い合いを繰り返したところです。きっとこの村は見張りをしていたか、 要塞として守護役をしていたのでしょう。
 村の入口の看板です。
どこにでも落書きをする人がいるものですが、
”Z”EUS って、なかなか良い出来じゃあないでしょうか。

下にあるのは、「フランスの美しい村」のサインです。
村の下から眺めた全景です。

なだらかな丘の上に建っている村です。それほど強固な要塞があったようには見えませんでした。
村の中です。
家々の壁は大きめの石を壁に塗りこんだのか、石を積んでいく間に漆喰を流し込んで造ったのでしょうか。分厚くどっしりとした壁です。
階段の下や踊り場には玉砂利を嵌め込んだ古い道が残っています。
 アーチをくぐって道を上がって行きます。












「教会はこちら」と石の壁に、これも石のサインが出ています。
その右のサインは、お店(アートギャラリー)のものでした。










 遠くからも見えていた、村の一番高いところに建つ教会の塔です。
教会は18世紀に建てられたものだそうです。


 村の一番高いところから眺めた景色です。
遠くにぶどう畑が見えます。そのずーっと向こうに見えるのがピレネー山脈の端なのでしょう。

土が目立つ景色は、どちらかというとスペイン風です。
今回借りたレンタカーです。
またメルセデスですが、今度はB180ディーゼルなので、ちょっとグレードが上がりました。
Aよりはトランクも大きいので、スーツケースを積んでも余裕があります。
(2011年5月)